小さな子どもたちが日々走り回る園庭。思いきり遊んでほしいと願う一方で、転倒によるケガや、夏場の地面の熱さに不安を感じている先生や保護者の方も多いのではないでしょうか。そんな現場の声に応える形で、近年注目を集めているのが「ゴムチップ舗装」です。アスファルトや砂とは異なり、ゴム特有の弾力が衝撃を吸収し、足元の安全性を高めてくれます。さらに、水はけがよく滑りにくいという利点もあり、雨上がりのぬかるみや泥汚れの心配も減らせるため、園庭の使い勝手が格段に向上します。こうした特性から、幼稚園や保育園、こども園などでの採用が広がっているのです。本記事では、ゴムチップ舗装が園庭に適している理由を、素材の特性や導入事例、施工の流れ、気になる費用感まで、具体的な視点から掘り下げていきます。
ゴムチップ舗装とは?素材と特徴を知ろう
ゴムチップ舗装とは、細かく砕いたゴム粒を特殊な接着剤で固め、地面に敷き詰める舗装方法です。素材として使われるのは主に再生ゴムで、廃タイヤなどを再利用しているケースも多く、環境への配慮という点でも注目されています。表面は柔らかく弾力性があり、足元への衝撃を和らげるため、子どもが転んだ際のケガのリスクを軽減できるのが最大の特長です。
また、ゴム特有のグリップ力があるため、濡れても滑りにくく、雨上がりでも安心して遊ばせることができます。水はけも非常に良好で、園庭のぬかるみや水たまりに悩まされることも少なくなります。夏場には地面の温度が上昇しにくく、裸足で遊ぶようなシーンでも安心です。素材の種類や施工方法によって、厚さや柔らかさを調整することができるため、遊具の下など衝撃が集中しやすい場所にはより厚めの仕上げを施すことも可能です。
さらに、ゴムチップはカラーの自由度が高く、赤・緑・青など様々な色を組み合わせることができるため、デザイン性の高い園庭づくりにも適しています。子どもたちにとっても、見た目が楽しくなるような明るい空間が実現できるのは大きな魅力です。このように、ゴムチップ舗装は機能性と安全性、さらにデザイン性までを兼ね備えた素材として、幼稚園の現場で選ばれ続けています。
幼稚園での活用事例:どんな場所に敷かれているのか?
ゴムチップ舗装が実際にどのような場面で活用されているのかを見てみると、その用途は園庭全体にとどまりません。特に多いのが、滑り台や鉄棒、ブランコなどの遊具の下に敷設されているケースです。これらは転倒や落下のリスクが高いため、地面に柔軟性を持たせることでケガのリスクを軽減できます。従来は砂やウッドチップで対応していた園もありますが、風で飛散したり、地面がえぐれてしまったりする問題がある中、ゴムチップは長期的に安定したクッション性を保ちやすいのが特長です。
また、建物から園庭へ続くスロープやアプローチ通路に施工することで、雨天時のすべり防止にも効果を発揮します。園児だけでなく、送迎に訪れる保護者や、高齢の先生方にとっても安心して歩ける導線となるため、園全体の安全性向上に貢献します。
最近では、屋上庭園や限られたスペースを有効活用した「園庭代替スペース」にも導入される例が増えています。マンション併設の小規模保育園や都市部のビル型園舎では、屋上やテラスにゴムチップを敷き詰め、安心して外遊びができる空間として活用しているのです。このように、ゴムチップ舗装は場所を問わず柔軟に対応できるため、園の方針や施設条件に合わせた設計が可能になります。
施工から維持管理まで:導入の流れと注意点
ゴムチップ舗装の導入には、いくつかの工程と事前準備が必要です。まずは現地調査から始まります。園庭の広さや地面の状態、既存の舗装材の有無などを確認したうえで、適切な施工計画が立てられます。地盤が軟らかすぎる場合は、下地の補強が必要になることもあります。また、水はけの悪い土地では、排水性を考慮した下地処理が重要になります。
施工自体は、整地→下地の形成→接着剤の塗布→ゴムチップの敷設→圧着といった流れで進みます。広さや気温などの条件にもよりますが、一般的な園庭であれば数日から1週間程度で完了するのが目安です。園の休園日や長期休暇期間を活用すれば、園児への影響を最小限に抑えた工事が可能です。
施工後の維持管理についても知っておきたいポイントです。ゴムチップ舗装は耐久性に優れていますが、経年劣化によって表面が摩耗したり、剥がれが起こることもあります。特に遊具の下や水が溜まりやすい箇所では、定期的な点検が重要です。部分的な補修が可能なため、全面張り替えをせずに済むケースも多く、メンテナンスコストを抑えることができます。
また、砂や泥と違ってゴミが溜まりにくく、掃除もしやすいため、日々の清掃負担が軽減されるという点でも、園職員にとって扱いやすい舗装材と言えるでしょう。こうした導入から維持に至るまでのトータルな流れをしっかり把握することが、安心・安全な園庭環境の実現には欠かせません。
気になる費用感と助成制度は?
ゴムチップ舗装を導入するうえで、やはり気になるのが費用面ではないでしょうか。施工費用は、使用するゴムチップの厚みや面積、下地の状況などによって異なりますが、おおよその目安としては1平方メートルあたり8,000円〜15,000円程度が一般的です。たとえば遊具下のみを部分的に施工する場合と、園庭全面を仕上げる場合とでは、大きく金額が変わってきます。
また、施工費だけでなく、下地の整備にかかる費用や、カラーの指定による追加費用が発生するケースもあるため、初回の見積もり段階で丁寧な説明がある施工業者を選ぶことが重要です。コストを抑えるために薄く仕上げた結果、早期に劣化するという失敗例もあるため、適切な厚みと品質のバランスを見極めることが長期的には安心につながります。
さらに、自治体によっては保育施設の安全対策として、園庭整備費用に助成制度を設けている場合があります。条件は地域や事業の内容によって異なりますが、「安全性向上」や「バリアフリー化」などの目的で申請できる場合もあります。検討中の方は、まず管轄の市町村や保育行政窓口に相談してみるとよいでしょう。
予算に不安がある場合でも、部分的な導入や段階的な施工など、柔軟な提案が可能な業者であれば、無理なく実現できることもあります。当社では、施設の状況に合わせた最適な施工プランをご提案しておりますので、お気軽にご相談ください。
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安全性・デザイン・持続性を両立できる園庭舗装とは
子どもたちが安心して遊べる環境をつくるうえで、園庭の地面が果たす役割は決して小さくありません。転倒によるケガを減らし、夏場の暑さを和らげ、雨の日でもすべりにくい。こうした複数の課題を同時に解決できる素材として、ゴムチップ舗装は多くの幼稚園や保育施設で選ばれてきました。
もちろん、万能な素材というわけではなく、施工時の条件や費用とのバランスを見極める必要もあります。それでも、「安全」と「快適」を両立した園庭づくりの手段として、ゴムチップ舗装は非常に実用性の高い選択肢であることは間違いありません。加えて、カラーや厚みを工夫することで、施設ごとの個性やこだわりを形にすることも可能です。
一度施工すれば長く使い続けられるものだからこそ、導入前にじっくり情報を集め、信頼できる業者に相談することが大切です。
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